【果ての家族】14話「三人の黒騎士 4「館侵入」」

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1

 ミミズとなって地中を出た。そこは白く巨大な館であった。誰か通らないか確認する。いた、剣を持って巡回している男が歩いていた。私はミミズの体を脱ぎ捨て草となった。
 男が通ったその時だった。草から気絶性の高い針を刺した。靴に貫通した。

「!」

 男は何か異変を感じたがもう手遅れだ。私の力にかかり男は気絶した。私は男と同じ姿となり顔を変えて館に侵入を考えた。いや、待て。この男を利用していいことを思いついた。
 気絶に関して解除方法に魔法を付け加えなおかつうかつにさわると相手も気絶させる仕組みにした。
 私はすぐさま立ち上がり他の兵士たちがいないか確認した。いない、ならばよし。
 私は叫ぶ。

「おおおい!!」

 叫んだ時だった。他の兵士たちが駆けつけてきた。

「どうした!」

「仲間が何者かにやられた」

 私が叫ぶと他の者達も次々と来た。

「すぐに医療班を呼ぶ。ま……」

 その時だった。兵士たちの後ろから黒い甲冑をまとった人物があらわれた。

「その必要はない」

 男か女なのかわからない声で喋っている。
 背筋に何かを感じた。とりとめないものを。

「黒騎士様」

 これが3人いるうちの黒騎士か。

*2
「なぜ、お止めになるのですか?」

「聞くまでもない。テリーを気絶させたのはそこにいる男だ」

「え?」

 すぐバレたか。
 兵士たちの目がこっちに集まる。

「お前、名前を言ってみろ」

「ジュードー・カミュ・アームです」

「ふふ」

 黒騎士は笑っていた。

「ふはははははは!! そんなやつがいると思っているのか? 何よりお前は我の部下にいると思っているのか?」

 バレたか。だが、都合はいい。あの黒騎士はおそらくダイデスだろう。
 他の二人はおそらくいるとされるマリアと誰かだろう。
 私は黒騎士を凝視した。

「さすがは天下に名高い黒騎士。強さはさすがという感じですな」

「黒騎士様! ここは、我らが……」

 黒騎士は右腕を横へ水平に出した。

「よせ、お前たちがでて勝てる相手ではない。我がやろう」

 黒騎士が前に出た。黒騎士は右手から黒い大剣を出現させ握った。

「どこの誰かは知らないが相手になろう」

 やはり、ダイデスだ。あの剣は暗黒大剣と呼ばれるダイデスが持つ得物。

3

 ダイデスと思われる者は剣を振って襲ってきた。素早く振りこちらの攻撃をさせないようだ。
 ならば、これならどうだ?
 私は手のひらから大量の白い液体をダイデスと思われる者にふりかけた。

「……これは」

 異能「粘液」。ふりかければ粘り気の強い液体となり相手は捕らえられ動きを制限させる。固まることができず長時間粘り気に苦しめられる。
 さてと、次は……え?

「……」

 ダイデスと思われる者は甲冑から火を放ち粘液を燃やし尽くして動けるようにした。まあ、順当な判断ということか。
 しかし、私は手を止めない。
 私は右手のひらから黒いたまを出現させダイデスと思われる者に投げつけた。左手にも出現させ投げつけた。大量の玉をダイデスに投げつけた。
 当たった玉は弾けて黒くなる。ダイデスは動こうとしたが、動けない。

「黒騎士様の様子がおかしい?」

 無理もない。私が今、投げたのは創造、玉、液体、吸収の複合異能によって作り上げた「吸引液状黒玉」。当たれば相手のエネルギーを液体が吸収し拡大していく。
 最期は液体に囲まれるがダイデスには効かない。むろん、そんなことはわかっている。
 これはあくまでダイデスの動きを封じるためだ。

「く、黒騎士様が……」

 私は黒い兜に手をつけた。ダイデスの顔なのか見ようと思う。兜を外したその時だった。
 漆黒の大剣が消えた。

4

 しまった。こいつは違う。
 ダイデスが使う化身は骸骨。肉などありはしない。目の前にいるのは肉がある男の顔。
 そう言えば、ダイデスは傀儡魔法をうまく扱うな。自分の力を与えて相手を遠隔操作すると同時に自分の動きと喋り方をさせる。影武者を何体も作ることぐらい楽勝だ。

「お前は……」

 どこかで見たことがある。

「暗黒甲冑が壊れたからにはダイデス様の武器が使えない。ならば」

 男は漆黒の槍を呼び出し手に取った。
 思い出した。ダイデスに槍使いがいることを。
 そいつは崩壊戦争で総合撃破数3位という輝かしい戦績を持つ槍使い。上下は最上級神ばかりだがそれでも健闘した。
 名前はロクガ----。冥槍トナの使い手。
 “冥”の称号を持つ特上級死神だ。


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