【果ての家族】3話「大海の覇姫 1」

2017年1月22日

*1

 シウとは私の子供の中で4番目に作られた。大海を支配する力を持ち大海に生まれた生物は彼女に従わざるおえない。しかもこの力は「海だけではなく水から生まれた生物すべてに適用される」ため容易に海を支配する。
 シウの本体は海しか存在しない世界「ザ・オーシャン」にいるはず。となればシウがよくやる触覚か。あの世レンタルのみの世界に触角を放ち支配権と崇拝権を獲得し自らが唯一最強の海の神と豪語したいからだ。こうも人様に迷惑をかけるようならゲンコツですむ問題ではないな。

 

「質問していいですか?」

「ああ」

「そのシウの異名はありますか?」

「あったな。確か「大海の覇姫」だったな」

 間違いないシウが好んで使う異名だ。自らは大海を支配しする覇道を唱え「果ての者の娘=姫」とする。これが異名の由来だ。

 

「なるほど……シウか」

「話はここを来る前から聞いていたのですか?」

「ええ、もちろん。腐るほど悪い話ばかりが多くて。そのシウの討伐は私が行ってもいいですか?」

「え、そうですか?」

 周りの反応が驚いている。やはりシウの恐ろしさは骨の髄まで知れ渡っている。あのバカ娘め、ここまで人様に迷惑をかけるか。

「やりますよ。あのバカをボコボコにしてやりたいぐらいですよ!!
 少しは土下座させて謝ることを教え込ませないといけませんからね!」

「おお、すばらしい。これならあのシウを黙らせてくれる」

 やりますよブレードさん。
 そして、食事がすみ部屋に戻ろうとした。まさかと思った。あの話を聞いて姉妹がくるわけないよな? そう考えながら部屋に戻った。
 布団を作り布団の中に入った。ベッドを作ろうと思ったけど面倒だと思いこっちにした。何せあろうがなかろうが関係ない。その時、ドアをノックする音が聞こえた。

「入れ」

 ドアが開き出てきたのはピンクの寝巻を来たアルカとアルミラルだ。

「ハテ様……」

「言わなくてもいいぞアルカ。お前は私について来たということだろ」

「はい、ハテさんの戦闘……」

「悪いが、ここら先の戦いはおそらく参考にもならないほど熾烈な戦いになるかもしれない。
 私が確実に勝つのはわかっている。だが、参考にならないほどやっかいだ」

「でも、せめて私を連れて行ってください!」

「アルミラルと両親とじいさんはどうする? お前にとって大事な家族だろ」

「大丈夫です。遠くに行っても操作する人形を作りましたからへっちゃらです。
 ですからあとは攻撃魔法をや防御魔法を使えば平気です」

「アルミラル。何か言ってやれ」

「何度もいいました。でも、アルカは言うことを聞かず「行きたい」しかいいません」

「……やれやれ」

 どうしようもないことだ。わずか1日で傀儡巨魁系魔法「遠隔影武者人形」を作り上げるとは予想していなかった。あれは上級魔法使いが身を守るための強力な魔法だが、まさかここまで使いこなすか。
 才能を開花させたがどうやら使いこなし方は一流だな。

 

「どうかわかってください! 私はできます!!}

「――――そうか、なら行くぞ。お前にもっと面白い学習ができるかもな」

「ありがとうございます! ハテ様!!」

 アルカは喜んでいた。こっちははた迷惑だがな。
 翌日の朝。服装を銀の甲冑起きた騎士となり黒いマントをはおる。これでいいだろう。
 家から出てあいさつをした。

「それじゃあ、私は行ってきます」

「御武運を望む」

 ルドルフと家族に見送られて町の外へと向かった。町から遠く離れて森の中へと来た。

「さて、ここならいいか」

 マントに右手を入れて軽くノックした。するとマントから赤い魔法使いの少女があらわれた。

「ハテ様、いい考えですね!!」

「まあな。マントの中にお前を隠していたからな」

 そう、このマントは昨日、徹夜で作り上げたマントだ。一見すればただのマントだが昨日は最高。
 まず、このマントは異次元につながっており私がレンタルした異次元は約一万もある。これによりレンタルした異次元の内1つにアルカを入れて引き出した。
 これによりルドルフたちはさずアルカがいると思わせることに成功した。

「で、これから船に乗るのだが偽名は何にした?」

「アルカ・ハリオネット」

「バカ! 自分から本名名乗って失敗させるバカがどこにいる!!
 しょうがない。私から考える」

 そうだな。この純真さ、魔法に対する高い欲求。いい名前は無いのか……。そうだ。

「ゴリョウ」

「ゴリョウ?」

「ああ。昔いた仲間さ。今はどうしているか知らないが、魔法にかける情熱は一番高い。
 だから、この偽名「ゴリョウ」をお前に使わせることを許可する。ただし、アルカ・ハリオネットと名乗ることを禁ずる」

「そうですか! ありがとうございます」

「なら、今から名乗ってみろ」

「はい。ええと、アゴリョウ。あれ?」

「発動したな」

 アルカはもうアルカを名乗ろうとしてもゴリョウとなる。これは異能「禁則」により特定の相手に禁則を入れる。先の「偽名「ゴリョウ」をお前に使わせることを許可する。ただし、アルカ・ハリオネットと名乗ることを禁ずる」で完璧に禁則が入りアルカはアルカと名乗ろうとしてもゴリョウと名乗ってしまう。自力で解除するには異能「解除」や力ずくで解くしかない。もっとも私の異能はどれも強力だから敵なしだ。

「もう1度言ってみろ」

「アルアルアルアルゴリョウ。あれれ?」

「今のが異能「禁則」だ。お前は私の許可がおりなければ本名が名乗れない」

「ハテ様は異能まで使えるのですか。あの魔法の他に生まれた時の才能で使える力ですよね」

「そうだ。私の場合は数が多い。もっともそんなことを考えるより先に進むぞ」

「そうですね! ハテ様!」

「もう一回言うが名乗れ」

「アーアーゴリョウ!! やっぱり名乗っちゃいます!!」

「なれろ」

 まったく駆け出しの魔法使いに一流の技術をしこませたのは少し間違っていたかもしれないな。

*2
 ここは海底にあるシウの居城。岩石で作られている。赤サンゴがならぶ一室に赤サンゴを使って作られた玉座に青いドレスを着た青髪、青目の少女が立ち多数の魚人たちが彼女の前に土下座していた。

「お前等!! この大海を支配するのは誰か言ってみな!!」

「シウ様! シウ様! シウ様でございます!!」

「そうだ! この大海はアタシの領域。地上や空中のクソッタレどもが気安く触れるような場所じゃねえ!!
 アタシがいる間は、お前らの生活を保障してやる。それから、無いと思うがアタシにはむかうのはやめておけ。刺し身にされるからな」

「へ、へへええ!!」

 そう、この少女こそがシウである。シウは黒い笑顔で魚人たちを見下していた。

(それにしても妙だ。親父がこの世界に来たような感じがする。困ったな、この世界はちょっとした遊び場として囲っていたのにな……。
 他のやつらも参加しているしバレたらまずいな……)

 どうやら、シウ以外にも子供たちが来ているようだ。

(ああ、ここにある赤サンゴは私の物よ! 真珠も海で作られる宝石の品々は私の物よ!!
 大海の支配にはこういう宝石類があるからいいのよ!! 親父に1つもやらない……というかあいつは興味ないか)

 シウはただ父親である果ての人のことハテ・ヒートを気にしている。己を倒せるのはハテと兄、弟や妹たちしかいないのだから。
 こられても困る。なぜなら、宝石が無くなってしまうからな。


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