【果ての家族】10話「夢の中」

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1

 私はただ一人、荒野のまっただ中にいた。無限に広がる荒野、無限に広がる青空。しかし、私以外に誰もいない。
 私の体は宝石であった。しかし、形を変えて人、動物、植物、鉱石、液体になりうる。声も千変万化に変えることができる。
 能力はある。ただし、誰もいない。
 私は誰かがほしかった。
 そこで、ためしに土を使い生命を生み出してみた。実験は成功した。
 作られたのは私と同じ形をした者だ。しかし、能力はあまり引き継いでおらず引き継いだのは「女、魔力、秩序、神力」といったものだ。冷静な思考の持ち主だ。
 ためしに暮らしてみたら女は名前と仲間がほしいと言った。
 なぜと言ったら「私は私の名前がほしいし仲間がほしい」。私はあまり仲間や名前を考えたことは無かったが名付けてみた。
 この女性の名はメリア。仲間をメリアが作った時と同じ感覚で作ってみた。
 作れたのは「男、気、混沌、神力」を持つ男だ。性格は明るく怖くない。私はこの男にギオルと名付けた。

2

 3人で楽しく暮らしているとギオルから弟が欲しいと頼まれた。私は弟を作ってみた。
 その弟は「指導者、礼節、男、神力」の特徴があり、リーダーとしての素質を持つ神だ。名をホグナーとする。
 ホグナーはギオルやメリアと仲良く過ごし時には兄や姉と比べ物にもならないほどの発想力を発揮し二人を驚かせた。
 あくる日、ホグナーは外の世界を見渡したと言った。
 外の世界は黒く何かを作れそうと言った。
 私は考えたが気になってホグナーに質問した。「何を作りたい?」と。
 ホグナーは自分たちなりに世界を作りたいと言った。ただ、自分一人では難しいか補佐役に10人の家族が欲しいと頼んだ。
 面白い考えて思い10人作った。
 海を支配する海神にして次女シウ。
 空を支配する空神にして三女ソス。
 地を支配する地神にして四女リグ。
 異次元に行く異次元神にして三男ロッキー。
 豊穣や発展を得意とする豊穣神にして五女アーグ。
 知識を重点に置いた知識神にして四男オーオ。
 時を支配する時神にして六女イレーブン。
 ホグナーの補佐五男ヴァーイ、六男メノス。
 死を支配する死神にして末子ダイデス。
 皆はそれぞれが権能を持ち世界を広げていった。巨大化する世界は正直、興味は無かったが息子、娘が喜ぶのはいいことだ。
 気がついたら皆は異名を持ち私と私の手で作った神は「原初神」と呼ばれる巨大な神々と言われるようになった。

3

 そんなある日だった。
 メノスは神々が横暴を働くものが多いとして守護者システムの樹立を頼まれた。私はよくわからないが話しを聞くと神の権力を利用して生命をないがしろにしている者が多いとのこと。ゆえにその者たちの引き締めで私の能力が必要だと。
 私はルール「異能「無効化」」と無効化使いの者を必ず世界に一人追加しなおかつ神が横暴を働けば殺す仕組みを作った。
 続いて下界に降りていたギオルとメリアが帰ってきた。二人は私に結婚を申し込んできた。
 何でも二人の愛情が芽生えたという。それはいいことだと私は思った。ただ、何もわからなかった。なぜ、愛情と言うのが芽生えるのかと。
 それを隠したまま私は二人の結婚を歓迎した。結婚式は盛大にすると言ってホグナーのいる中央調和界にてとりおこなわれた。
 皆がわけもわからず多く食い、騒ぎ、動いていた。私を見るや誰しもが私を尊敬した。
 そこまで私が素晴らしいのかわからない。
 だって、この力は私がはじめから持っており誰しもが持っていると思った。なぜ、皆が私を尊敬する? 持っていないからか。
 持っていない状況にあったことがないから理解できない。

4

「はっ!?」

 私は目を覚ました。私が何も知らないのときの夢だった。大量の生命から真の神と尊敬され敬意もはらわれた。その意味が全く理解できなかった。
 無理もない。私は他の生命体が想像もできないほど長い孤独を歩んできたから共感しないのも無理はない。

(まだ時間もあるか)

 私は寝ることにした。

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